FC2ブログ

花形敬さんの話が書かれた本/芸能界と暴力団


なべおさみさんの巻頭インタビューより

「その人は俺たちを見ると『お前ら上の学校(大学)にいけ』という。そうして置いて『しかしなあ、お前みたいなヤツはここら辺をうろちょろしたくなるだろうなあ。そんで、お前の性格だったらケンカのひとつやふたつしたくなるだろうな』と。まあ、全部見越しているんだね。そして去り際にこう話した。『そんなときはよし、俺の名前出していいよ。俺はよ、安藤組の花形敬って言うんだよ』って。結局会ったのはその一度きりだった(中略)銀座を根城にしている愚連隊連中の憧れといえば、なんといってもホンチャンですが池の二郎さん。いまでもそうだけど俺の不良人生において憧れであり、尊敬する人物と言えば二郎さんになる。銀座では花形さんの名前を聞かされてもピンとこないんだよね。ただ、名前はかっこいいし印象に残るでしょ?それで、後で人に聞いたら安藤組の幹部だという。結局、花形さんの言葉通り俺は大学に進学した」

・・・・なべおさみさんが不良だったとは知らなかった。

ただ、安部譲二さん原作の映画(塀の中の懲りない面々)で刑務所内での密告屋役をやっていたなべさんには不良の雰囲気が確かにあった。

昔不良だった、という人には、それと感じる雰囲気がある。

例えば言葉遣い、乱暴という意味ではなく独特の言い回し、そして周囲への目の配り方など。

・・・・不良という生き方も意義のある人生勉強でしょうね。

自分みたいにイジメに遭った子供時代、これも人生勉強。

・・・・そのどちらでもない、ソツのない人生に一体、何の意義があるんだろう?
スポンサーサイト



花形敬さんの話が書かれた本/大島渚さんの著書(大島渚1960)


?『太陽の墓場』の背景と主題より。

「当時はロケーション・マネージャーと進行係という二人がカチッとおさえてて、地元の人との交流があったとしても、そこどまりですね。監督まではこない。『青春残酷物語』の最初のシーンは、道玄坂で撮ったんだけども、安藤組の全盛時代で、警察は、安藤組に話を通したらぜったいに協力しないというし、といって通さなきゃしょうがないしね。で、ロケーション・マネージャーが警察に行って、その間、進行係は、例の、あとで殺される花形敬といっしょに飲んでて、その間に撮れ、という。そんなふうに強力なスタッフにガードされていました」

・・・・自分が子供の頃にテレビで見た大島渚さんはニコニコした優しそうなおじさんに見えた。

しかし、若い時は滅多に笑顔など見せない怖い人だったらしい。

その雰囲気が写真からも感じられる。

花形敬さんと面識があった人から聞いた話


東京暮らしをしていた頃、会社の公休日にバイトをやっていた。

秋葉原のガード下に派遣事務所みたいなところがあり、朝そこに行けば、その日の日払いの仕事を紹介してもらえる。

色々やった。

千葉までグランドピアノを運ぶトラック運転手の助手をやった時は、運転手が足立区の(鹿浜ジェロニモ)という暴走族のメンバーだったそうで、ヤンチャだが面白い人だった。

お元気だろうか。

港湾荷役の仕事も随分やった。

そこで一緒に働いた、普段は大工をやっているという当時50才くらいの渋い角刈りの男性が、あの花形敬さんと面識があり、何度も会話した事があるそうなので色々と質問攻めにしてしまった。

陣内孝則さんが花形さん役で主演した(疵)が公開された時期だ。

花形さんのルックスについて、あんな陣内みたいなカッコいいもんじゃないぜ、と言っていたが。

俺がグレたのは親のせいじゃない。世間と自分が弱いからだ・・・・そう花形さんが話していたという。

「花形さんが少年の頃、友達と柿の木から柿を盗むイタズラをやった時に、その柿の所有者である大人が(まあ、花形さんの所は片親だから・・・・)と冷たく言い放った。自分の親を侮辱されたようで無性に癪に障った、っていうような事を言ってたね」

他には、ファイティング原田のような(絵になる男)と交流していた話も聞いたが、花形さんとファイティング原田さんではだいぶ世代が違う。

ちょっと調べてみたら、ファイティング原田さんは花形さんが殺される前年あたりに世界チャンピオンになられている。

二人が交流していたとすれば、その僅かな時期だろうか。

花形敬さんの想像イラスト



花形敬さんもアウトローだから、存命中は夜の渋谷の繁華街を闊歩していたのだろうが、あまり夜の街の風景には溶け込まない上品な風貌に見える。

グレーのベネシャンの背広に黒ネクタイ、ボルサリーノを斜めにかぶり、白黒のコンビの靴・・・・そんなファッションで昼下がりの、少し喧騒が和らいだ薄曇りの渋谷の街を歩いている姿が似合うと思う。

よく花形さんは白いスーツがトレードマークのようにいわれるが、それよりも安藤組の幹部である事を示すグレーの背広のほうが一番合っているのではないだろうか。

爽やかな青空、というのも花形さんのイメージとしてはピンとこない。

やはり曇り空だ。

自分の中では、東京は曇り空の似合う街と思っている。

夜景の素晴らしさに匹敵するくらいに。

安藤組の花形捕まる・神宮外苑で(女を待つ間に)/朝日新聞/昭和33年7月



横井社長襲撃事件にからんで先月十五日、東京渋谷署からピストル不法所持で全国に指名手配されていた世田谷区船橋町一○九四安藤組幹部花形敬(二八)は五日午後三時半ごろ神宮外苑で逮捕された。花形は渋谷からタクシーをひろい、同二時四十分ごろ外苑の絵画館前で降りたが、同タクシー運転手の届出で四谷署員がかけつけて捕えた。さる一月下旬渋谷区宇田川町六八さきでピストルを持ち歩いていた疑いである。
渋谷署の調べで花形は横井社長襲撃の共同謀議にはじかに関係していないもようだが、殺人未遂で追われている安藤昇ら同組幹部の動きについてかなり事情を知っているとみて、同五時すぎ身柄を渋谷署に移して取調べをはじめた。
同署に連行された時、花形はうすいブルーの背広にコンビのクツ、夏帽をななめにかぶってうす笑いすら浮べ、和製ギャングといった表情。取調べにたいして「逮捕されるおぼえはない。事件当夜の先月十一日夜六時ごろは映画館にいた。青山の事務所(安藤組)のようすはなにも知らない。どこにかくれていたかはいえない。外苑にきたのは女に会うためだ」と語っているという。